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2021.05.18.

元気なハーブに育つと病害虫の被害が減り、薬剤使用減につながります。

播種40日後くらいのディル。

ハーブに限らず、植物を栽培したことのある方はきっとご存じとは思いますが、
日光が良く当たり環境が良く、水分や栄養分のバランスも整った元気な状態で
収穫までたどり着いた場合、病害虫の被害が本当に減ります。
そのような場合、薬剤の使用も必要ありません。
当然だろうという声が聞こえてきそうですね(笑)

でも、よく聞かれるのが、
「ハーブって虫が付かないんでしょう?」
という質問。
これまでの経験だと、
「普通に付くけどな?」
なのです。

現在、当園で栽培している多くのハーブは、
何度も収穫する葉物類が多いです。
葉を収穫し続けるには肥料のバランスを保ったまま、切らさずに
栄養成長が継続する必要があります。
肥料を切らすと花が咲き、葉の収穫はできなくなります。

常に丁度良い肥料バランスで維持させることは本当に難しい。
特に本社のある農場は一級河川である犀川の近くで砂地土壌。
水持ちが悪く、肥料を保持する力も低い特徴を持ちます。

肥料が多すぎたり、バランスが悪いと葉の色が悪くなったり、
虫が発生してしまったりします。
バランスは良くても土壌を乾燥させてしまったり、
農場内の湿度に極端な変化をさせてしまうと
ウドンコ病(白い粉上のカビの一種)が発生してしまいます。
10年以上農業に携わっても、ほとんどが失敗の経験です。

そんな悪戦苦闘のハーブ栽培の日々ですが、
栽培環境がばっちりハマった時には、
植物全体が自然な色合いで艶があり、伸び々しています。
また、葉の形は全体的に丸みが出ます。

こちらはアップルミントです。

人間も同様ですが、バランスの良い食事をとっていれば
風邪をひいたりすることはありませんよね。
それと同じで、気が付いたらずっと無農薬で収穫していた、
というパターンも増えてきました。

アオムシに対する薬剤についてはもう何年も使っていません。
そういえば、日本国内で使用が認められている薬剤でも
EUなど他の国では制限されていて使えない薬剤があったりします。
そのようなものについては使用許可があっても使用しないようにしています。

一年中収穫する農業においては、完全無農薬は非常にハードルが高いのですが、
品種ごと、季節別などの条件において、
ちょっとずつでも増やせるように挑戦したいと思っています。
(まだまだ失敗ばかりですので・・・)

飯綱高原の農場周辺の風景。

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